触れずに済む小売体験、これがニューノーマル

2020年6月6日

触れずに済む小売体験、これがニューノーマル

過去に発生した危機がそうであったように、新型コロナウイルスの流行は変化のきっかけをもたらしました。 従来型の店舗がロックダウンで苦しむ中、オンラインの小売業者は好調で、店舗をベースとした小売業者もEコマースを活用し始めています。 しかし、新型コロナウイルスは、小売チャネル間の関係を大きく変えるだけではなく、消費者の行動を根本的に変えることにつながっています。 Avery Dennison SmartracのVice President and General ManagerであるFrancisco Meloは、これまでの小売業はさらなる革新を必要としており、「タッチレス」な小売コンセプトは、実店舗がその領域を守るだけでなく、小売業の未来を形作る上で役立つだろうと述べています。

著者:Avery Dennison Smartrac、Vice President and General Manager、 Francisco Melo

食品をはじめとする日用品は、今後も実店舗の牙城となると考えられます。化粧品やアパレルなど、消費者が自分へのご褒美として購入する商品も同様です。 しかし、世界的な新型コロナウイルスの流行の現実に直面すると、消費者は従来の店頭でのやり取りに対して、より「距離を置いた」姿勢をとるようになるかもしれません。 製品や素材が新型コロナウイルスやその他の細菌にさらされているかどうかを不安にお恋、これまで以上に衛生意識を高めていると思われます。

衛生意識が向上していますか? タッチレスで解決できます!
需要の増加、製品の不足、在庫確保のための時間の短縮、さらにはソーシャルディスタンスの必要性などにより、世界中の食品業者や小売業者は大きなプレッシャーを感じています。 汚染の問題と相まって、製品に触れる「手」の数を減らすことで、「ニューノーマル」となる小売のコンセプトに警鐘を鳴らしています。 また、無人店舗、非接触型デリバリー、「スキャン&ゴー」キャッシュレスセルフチェックアウトなどのソリューションを提供する店舗に対する消費者の期待も変化しており、真の意味での「タッチレスな小売」という新しいコンセプトが導入されています。 このコンセプトにおける技術とは、技術そのもののためだけにとどまらず、すべての人のために、小売の変革を起こします。

「タッチレス技術」は、全体的な小売体験の質を低下させることなく、むしろソーシャルディスタンスを保ちながら、小売体験を向上させることができるという点で魅力的です。

Esselunga、明日のタッチレス小売体験をリードする...
Esselungaは、イタリアで最大かつ最も革新的な食品小売業者の1つであり、新しくオープンしたミラノ店でRFID技術を広範囲に活用しています。 La Esseの店舗は、新しいタイプの小売体験を提供するために設立されたもので、すべての製品にRFIDタグが付けられ、顧客が携帯端末から直接会計できる技術ショーケースとなっています。 従業員と顧客のソーシャルコンタクトを撤廃したこの店舗は、2019年12月にオープンして以来、感染拡大期間中もサービスを提供し続け、非常に好評となっています。

…Mishipayはそれに合った非接触型決済を行います
Esselungaの店舗に限らず、世界中の同じような場所で、小売業者は、未来志向のフリクションレスショッピングコンセプトの一環として、キャッシュレスおよび非接触型の決済ソリューションを導入する必要性に直面しています。 もうひとつの注目すべきソリューションは、ロンドンに拠点を置くハイテク企業であり、当社のパートナーでもあるMishipayによるものです。Mishipayは、モバイルの「スキャン&ゴー」セルフチェックアウト技術を構築し、即時に非接触での購入を可能にし、支払いのための行列をなくすことを可能性にしました。 食品、ファッション、化粧品関連の店舗では列に並ばなければならないことが多く、結果として感染の可能性が高まってしまいます。 「スキャン&ゴー」は、顧客が携帯端末を使って、店内のどこからでもバーコードやQRコードを読み取って支払いができる手段を提供するものです。 RFIDタグの固有IDと「デジタルツイン」を組み合わせることで、小売業者は個品レベルの完全な可視性と、損失を最小限に抑える電子盗難防止システム(EAS)のメリットを享受することができます。

タッチレスでも魅力的
「タッチレス技術」は、全体的な小売体験の質を低下させることなく、むしろソーシャルディスタンスを保ちながら、小売体験を向上させることができるという点で魅力的です。 探しているものが、いつでも、どこでも手に入り、パーソナライズされたコンテンツを受け取り、携帯端末で会計したり、バーチャルで服を試着したりと、デジタルにインタラクションできる小売体験を想像してみてください。 衛生意識の高い消費者のために、小売業者は「既成概念にとらわれず」製品との新しい関わり方を提供する必要に迫られるでしょう。 化粧品を例にとると、購入前に店頭でテスターの口紅を塗る代わりに、拡張現実の鏡を見るだけで、デジタル上で塗られた色をリアルタイムに見ることができるとしたらでしょうか? RFIDを利用したソリューションは、このようなことを実現する基盤となります。 

未来はコネクテッドプロダクトに委ねられています…
もし、すべての製品にQRコードやNFCなどのデジタルトリガーが搭載されたら、製品がブランドと消費者を1対1で結びつける機会が生まれます。つまり、スマートフォンがユニークな体験をもたらすデジタルワードへのポータルになるのです。 私たちは、家にいながらにして、製品の生産履歴、追加製品の提案、特典などの情報を得ることができ、さらに、寿命が来たときには新しい製品を再注文することもできます。

...そして、タッチレスな小売コンセプト
現在、新型コロナウイルスの流行で真の意味でのタッチレス小売体験への需要が高まっている中、セルフサービスオーダー、セルフチェックアウト、「グラブ&ゴー」技術を備えた高度に自動化された店舗が、未来の小売業の姿となるであろうという予兆は、いたるところに見られます。

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タッチレスショッピングに関しては、ひとつの技術だけですべてを実現できるわけではありません

Amazonをはじめとする利便性の高いブランドが画期的な技術を採用したことで、食品業界ではすでに「より早い、より簡単な、より楽しい」買い物を実現すべく、デジタルトランスフォーメーションに向けて動き出していました。 SOTIによるAnnual Connected Retailer Surveyによると、2019年1月の時点で、73%の消費者がショッピング体験を向上でき、人との関わりを減らすためのセルフサービス技術に賛成であると回答しています。

新型コロナウイルス流行下で利便性が向上

ソーシャルディスタンスを保ちたいというニーズは、より便利でデジタル化された「フリクションレス」なショッピングへの流れを加速させています。 革新的な企業は、顧客満足度の向上、在庫管理の大幅な改善などを実現するためにRFIDを採用しています。 Avery Dennison SmartracのRFID Market Development、FoodのGlobal DirectorであるJulie Vargasは、新型コロナウイルス後の世界における「利便性」の新しい意味に関する見解を語っています。

列に並ぶ必要がなくなる? 新型コロナウイルス時代を乗り越えるためのロードマップ

大手小売企業の閉店が相次ぐ一方で、生活必需品を扱う店舗では、市民の安全を守るために抜本的な対策を重ねています。 しかしながら、列に並ぶことはやはり新型コロナウイルス感染拡大の温床となってしまいます… 「Scan and Go(スキャン&ゴー)」プラットフォームは効果的で永久に使用できるソリューションでしょうか?