新型コロナウイルス流行下で利便性が向上

2020年6月3日

新型コロナウイルス流行下で利便性が向上

著者:Avery Dennison Smartrac、Julie Vargas

  • ソーシャルディスタンスを保ちたいというニーズは、より便利でデジタル化された「フリクションレス」なショッピングへの流れを加速させています。
  • 革新的な企業は、顧客満足度の向上、在庫管理の大幅な改善などを実現するためにRFIDを採用しています。
  • Dirty Lemon、Sodexo、Esselungaなどは、フリクションフリーの利便性を証明している企業です。

利便性は一時期、食品業界にとって優先事項でした。 2月のForbesの記事で、アナリストのNatalie Bergは以下のようにまとめています。 「昨今の小売業界では、時間の節約または時間の有効活用が重要です。」

それは、業界が新たな脅威である 新型コロナウイルスに直面している今では、なおさらのことです。 感染拡大前は、インターネットに慣れ親しんだ消費者は、「フリクションレス」、すなわち、速く、簡単で不要なやりとりをしなくてよい購買方法を求めていました。 そして現在、ソーシャルディスタンスの必要性に直面し、まさに今、その需要がさらに高まっています。

新型コロナウイルスの流行前までは、利便性を追求する動きの代表格としてまず挙げられるのはコンビニエンスストアでした。新鮮かつ高品質な商品を提供する大型食品業者に匹敵する存在として、コンビニエンスストアは「food forward(フードフォワード)」へと巧みに進化しましたが、今でも、必要なものをより簡単に手に取って持ち帰ることができる近隣の小規模なスペースで営業しています。 

消費者は、このアプローチにお金を落とすことで投票しています。 米国のコンビニエンスストアの店頭売上高は2018年に9%近く増加しましたが、中国では19%も急増しました。 現在、実店舗の3分の1以上がコンビニエンスストアで占められており、2024年には全世界で480億ドルを超える支出が見込まれています。

このような状況を見て、一般の食品業者は、買い物を簡略化する技術に投資しています。 それでも、コンビニエンスストアは依然として最先端にいます。 AmazonGoはこの取り組みの象徴となりましたが、他のブランドも革新を行っています。セブンイレブンは非接触型のデリバリーサービスを開始し、「スキャン&ゴー」コンセプトのパイロットを実施しています。 

RFID技術を基盤とすることで、フリクションレスショッピングを実現し、顧客との関わりをさらに深めることができるでしょう。」 – Iris Nova、CEO、Zak Normadin

日本では、経済産業省が、人手不足に対応するために、コンビニエンスストアに自動化の導入を要請しており、ショッピングの満足度を高めるためにも、自動化の導入が求められています。

現在、新型コロナウイルスの出現により、フリクションレスが急激に推進され、食品業者は自社のサプライチェーンのオートメーション化を強いられることになりました。

最も有望な形で参入を果たしているのが、radio frequency identification (RFID) すなわちRFIDベースのソリューションを採用している利便性重視の小売業者です。RFIDはフリクションレスやソーシャルディスタンスを実現したショッピングだけでなく、バックエンドにも多大な効果をもたらしています。 Avery Dennisonでは、食品購買や食品サービスの未来への道を示す、デジタルによる変革をサポートすることに喜びを感じています。

例として、ニューヨークのトライベッカ地区にあるIris Novaのキャッシュレスドラッグストアでは、顧客は入店し、冷蔵庫から自分の好きなDirty Lemonの飲み物を手に取って、企業にテキストメッセージを送って自分が何を取ったか伝え、店を出ることができます。 それだけです。 支払いは顧客の口座から引き落とされ、Iris Novaのシステムには在庫変更の記録が残されます。

その秘密は、すべてのボトルに付いている小さなAvery DennisonのRFIDタグです。このタグによりIris Novaの在庫システムにボトルのデジタルツインが作成されます。 販売の検証のほか、タグによって、在庫管理の効率性を改善し、、さらには、すべての個品がサプライチェーンのどこにあるか一目で知ることができます。 また、賞味期限の自動モニタリング、より正確な販売データ、そしてモバイルベースの体験により、顧客がプロモーションに参加したり、飲料がどのように作られたかを調べたり、他のDirty Lemon製品を発見したりすることができます。 

新型コロナウイルスにより、Iris Novaは自社の店舗におけるオペレーションを停止し、直販に注力することを強いられましたが、同社は他の小売業者の店舗やジムのような非小売空間にRFIDベースの冷蔵庫を設置する予定です。

世界最大の食品サービス企業のうちのひとつであるSodexoもCryoWerxのSmartFridgeをベースとした「grab-and-go」の販売コンセプトであるSmartChef™によりRFIDを採用し成功しています。 SmartChefの中心となるのは、主菜や軽食、飲み物がストックされたSmartFridgeです。 各個品にはAvery DennisonのWaveSafeTM RFIDラベルが貼り付けられています。ラベルが付いていても加熱用個品を安全に電子レンジで加熱することができ、各個品はSodexoの在庫管理で追跡することができます。 SmartChefアプリを使って、消費者はQRコードで冷蔵庫のロックを解除し、個品を選択すると、自動的に課金されます。 CryoWerxのCEOであるDarwin Gosalは、Sodexoの成功を受けて、「私たちは今、世界中でSmartFridgeの普及率を高め、加速させることに集中しています」と語っています。

ミラノの中心部にあるLa Esseは、「semplice, vicino, fresco」(シンプルで、近くて、新鮮)をブランドプロミスとし、イタリアの大手食品業者Esselungaがオープンした、近所にある小さくておしゃれなマーケットです。 店内のすべての個品には、RFIDラベルが付けられており、価格表示ラベルと一緒に貼られています。 顧客は4つある「Presto Cassa」会計ステーション内にあるショッピングバッグ置き場にバッグを入れることで支払いを済ませることができます。レジを通す必要はなく、システムがRFIDタグを読み取り、合計金額を瞬時に計算します。 また、オンラインで注文した製品をお店で受け取ることができる「Clicca e vai」(クリック&ゴー)ロッカーも用意されています。 新型コロナウイルスの懸念もあって、La Esseに対する初期の反応は良好でした。

フリクションレスの利便性への移行は新型コロナウイルス以前も順調でした。 感染拡大により、重要性が高まりました。 多くのブランドが気づいているように、RFIDは強力でコスト効率が高く、簡単に導入できるため、新型コロナウイルスの流行中はもちろん、その後も、あらゆる食品業者のデジタル戦略に貢献します。

詳しくは、最新のレポートをご覧ください。 フリクションレス食品の未来

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