Beyond the shelves: the true value of inventory accuracy for retailers

商品棚の裏側: 小売業における在庫データ精度の真価

今現在、自社の在庫がどこにあるかご存知でしょうか。商品棚や倉庫、そしてサプライチェーン全体に、どれだけの商品があるか分かると答えた方は少数です。Manhattan Associatesが最近実施した調査によれば、調査対象となった小売企業のうち、サプライチェーン全体(店舗およびオンライン)の在庫状況を正確に把握していると回答したのはわずか6%*にすぎませんでした。

在庫の可視性の欠如は、収益に大きな影響を与えます。小売業において在庫の可視化は長年の課題でしたが、近年、在庫データ精度を飛躍的に高めるための新たなソリューションが登場しています。

顧客満足度を左右する商品の在庫状況
消費者の行動は時代とともに変化し、今日はすぐに購入したいというモチベーションが個人を駆り立てています。Avery Dennisonが実施した調査「失われた1000億ドル:サプライチェーンの無駄がもたらす本当のコスト」によると、購入者の39%が、購入する際に重要視する上位5つの理由の1つに「在庫の有無」を挙げています。

また品切れが分かった場合、消費者はブランドに対する評価を下げることも分かっています。Manhattan Associatesが公表した「2023 年の Unified Commerce Benchmark for Specialty Retail(専門小売店向けユニファイド コマース ベンチマーク)」によると、買い物客の37%は、必要なものを手に入れるために他の小売店に行くといいます。つまり小売企業は、在庫状況によって、顧客を失ったり、遠ざけたりするリスクがあるということです。企業は、サプライチェーン全体の在庫状況を把握し、顧客のニーズをより的確に予測することで、このようなリスクを回避することができます。

Beyond the shelves: the true value of inventory accuracy for retailers

過剰生産と無駄は、個品レベルの可視性が低いことの結果
また過剰生産と無駄は、サプライチェーン全体に影響を及ぼしかねません。今手元に何があるのかが不透明な状況で、必要なものを正確に計画することは可能でしょうか。

アパレル業界だけでも、過剰生産によって在庫の4%が無駄になっています。(「失われた1000億ドル」参照)。これはすでに製造、流通、計上された在庫に関する透明性の欠如が原因であると考えられています。個品レベルでの可視化を実現した後に行う予測は、企業に明瞭性をもたらし、同時に無駄の削減に役立つでしょう。

在庫の正確さで卓越したオムニチャネル体験を
消費者の行動が変化するにつれて、「オムニチャネル」はもはや流行語ではなくなりました。消費者はチャネルに関係なくシームレスな購買体験を期待しています。そのため、多くの企業がオムニチャネルへの移行を試みていますが、導入が非効率的でコストがかかるという課題に直面することが少なくありません。

また消費者は、パーソナライズされたブランドでの購買体験を保ったたまま、同時に高い利便性を求めています。マンハッタン社の調査では、消費者の約4分の1(24%)が、欲しい商品の在庫がない場合、近くの店舗で在庫を確認できることや、宅配や店舗で商品を受け取ることができる、といったサービスを期待しており、実店舗とデジタル上の小売チャネルとの融合の必要性が浮き彫りになっています。

在庫の正確性と可視性は、小売企業における長年の課題でしたが、同時に効率的なオムニチャネルの実現と顧客満足度の向上における重要なイネーブラーであり、企業はもはやこれを軽視することができません。

Auburn Universityは、アパレル業界ではRFIDを導入することで約65%だった在庫データ精度が99%にまで向上したと公表しています。一方、在庫データ精度の向上が難しいとされる食品業界や化粧品業界において、この問題は見過ごされがちです。結果的に、ROIの低下や、カスタマーエクスペリエンスの低下、数百万ドルもの損失につながると指摘されています。

RFIDの活用は、小売企業が根本的な原因に対処する上で有益なテクノロジーです。RFIDとManhattan Active® Omniスイートのようなクラウドテクノロジーを組み合わせることで、小売企業は顧客により良いサービスを提供し、無駄を省き、持続可能性を高めることができます。

*Recalibrating for the Next Normal

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