Supply chain crisis made worse as 8% of stock ends up as waste

Avery Dennison Smartrac、日本を含む5カ国を対象に、サプライチェーン上の廃棄と消費者意識を横断調査。グローバルレポートを発表

サプライチェーン上での製品破損・過剰生産による損失は世界で1,631億米ドル (約23兆円) 相当。世界的に消費者は購買時、製品の「サステナビリティ」を重要視しない(30%)という傾向も明らかに

 

サプライチェーン上の廃棄 
・過剰生産と無駄な在庫の結果、在庫の8%近くが損傷または廃棄されており、企業の年間利益の3.6%に相当する打撃を与えている。
・8%の廃棄の内訳は、店舗に並ぶ前にサプライチェーン上で損傷した商品(4.3%)と、過剰生産により廃棄された在庫(3.4%)で、これらの損失は1,631億米ドル (約23兆円) 相当する。

世界の消費者動向
・消費者が購買時に重要視する14の要素について、トップ5へのランクイン率を調査した所、最も重要視されているのは67%で「品質」が1位、60%の「コスト」2位で特に高いことが確認された。
・「耐久性」(48%)も3位に挙がっており、より長持ちする製品を求める傾向にあることが指摘されている。
・また「サステナビリティ」は30%(14選択肢の中で9位)に留まる結果となった。

日本の消費者動向 
・一方の日本では「コスト」が72%と最も重要視されており、次に「品質」68%、「デザイン」が53%で3位とグローバルの消費者動向とは異なる結果となった。
・更に日本では、商品に関する情報が分かる手に入るテクノロジーの利用意向がグローバル平均から特に低い結果となった。例えば「製品の購入時にQRコードを使用して積極的に製品・ブランド情報を確認する」と答えた消費者は、食品購入購買時においてはグローバル平均 (53%)と比べ、日本は-13ポイント低く (40%)、また化粧品購入購買時はグローバル平均 (53%)と比べ-12ポイント低い (41%)。
・またグローバル平均と比較して、日本の消費者はメーカーやブランドによるサステナビリティに関するコミットメントに懐疑的な姿勢となっており、「ブランドのサステナビリティに関するコミットメントを信じる」と答えた消費者は、グローバル平均(45%)と比べ、日本においては-14%ポイント低い (31%)。
※日本個別のデータなど、一部グローバルのレポートに記載のないデータがございます。

過剰生産と無駄がサプライチェーンの危機を悪化させ、年間利益の3.6%に相当する在庫が腐敗または廃棄されていることが、企業に大きな打撃を与えています。この大きな損失には、棚に並ぶ前にサプライチェーン上で腐敗した在庫の4.3%と、過剰生産により廃棄されたさらに3.4%が含まれています。この損失は、1,631億ドル相当の在庫に相当します。

これらのデータは、Fortune 500に名を連ねるAvery Dennison(NYSE:AVY、エイブリィ・デニソン、 以下 Avery Dennison)が発表した新しいグローバルレポート「失われた1000億ドル サプライチェーンの無駄がもたらす本当のコスト」で紹介されました。このレポートは、日本、アメリカ、イギリス、フランス、中国における世界のサプライチェーンの現状と廃棄物の問題を解説するレポートです。

グローバル企業318社を分析したデータによると、企業はこれらの問題を痛感しているにもかかわらず、その解決に必要な予算を投じていないことが明らかになりました。回答者は、自社のサステナビリティへの影響のうち、平均で28.9%がサプライチェーンに起因すると述べる一方で、サプライチェーンの持続可能性の改善に特化したテクノロジー投資は、平均でわずか4.4%に過ぎないことが分かりました。 また調査対象の10社中9社以上がサステナビリティの向上を迫られており、60%が「高い」優先順位であると回答しています。なお回答者は、サプライチェーンの強靭性を実現するための課題として「上層部からの支持の欠如」、「異種システムの統合の課題」、「社内関係者の連携不足」を上位3つの懸念事項として挙げています。

透明性の確保が急務 

61%の企業がすでにユニークアイテムをトレースするためのソリューションを導入しています。またサプライチェーンの可視性とトレーサビリティの向上を目指す「予定」の企業は34.6%であることから、将来的に95%以上にまで上昇すると考えられます。

特にブロックチェーンへの投資は、最も大きな飛躍を遂げると考えられます。調査対象となった企業の97%が、5年以内に同分野への投資を計画しています(現在投資を行っている企業は12%)。また5年以内に約99%の企業がスマートデバイス(センサーやドローンを含む)の利用を、97%が産業用IoTの利用を計画しています。 

Avery Dennison SmartracのSenior Vice President兼General ManagerであるFrancisco Meloは次のようにコメントしています。「サプライチェーンにおける今日の混乱は、廃棄物の危機を真似ていており、サステナブルの実践がより緊急かつ必要性を増しています。同時に組織にとって、長期的なシステム変革を実現するデジタルトランスフォーメーションを加速させる、大きなチャンスでもあります。道徳的、経済的にも明確であり、この調査は、ビジネスと地球の利益のために、新しい技術を受け入れようとする組織の考えを示しています」

耐久性で製品を選ぶ消費者

消費者の動向は、在庫に大きな影響を及ぼしています。Avery Dennisonの調査レポートは消費者の購買習慣に関する様々なサインを捉えました。

今回のレポートにおいて調査対象となった全世界の7,500人の消費者は、当然ながらコストを最優先事項として回答しました。また品質も同じく最優先として位置付けられました。国別では、英国の消費者が最もコスト意識が高く、28%が最優先事項として挙げており、フランスと日本が25%でそれに続いています。中国は、調査対象の消費者のわずか6%がコストを第一の関心事としており、かなり異質な存在となっています。 

また、このデータから、サステナビリティに関するいくつかの懸念すべき傾向が明らかになりました。サステナビリティを上位3つの決定要因に挙げた消費者はわずか16%で、製品のエシカルな調達を優先した消費者はわずか12%でした。しかし、この調査では、世界の消費者の2人に1人(48%)が「耐久性」をトップ5の懸念事項として挙げており、製品への要望が変化していることも指摘されています。

企業が透明性の向上に取り組みむことは、消費者にとってもメリットがあります。半数以上の消費者(52%)が、衣料品を購入する際に「消費者に届くまでの製品の透明性が重要である」ことに同意し、食品と化粧品を購入する際に「使用されている素材や成分について透明性が担保されている」ことが、よりサステナブルな選択をするためのの一番の要因としてランクされています(それぞれ37%と35%)。

食品業界における課題と考察

近年、生活の中の食ロスなど目に見えやすい課題が注目されているものの、世界規模では全食料品在庫のうち10%(販売額1,147億米ドル相当)近くがサプライチェーン上での腐敗、汚損、破損、そして過剰生産により廃棄されている。一方で、メーカー各社によるサプライチェーンの持続可能性向上のために特化したテクノロジー投資額は低く、技術予算の内、わずか3%に留まっている。

化粧品業界における課題と考察

化粧品を購買する際、消費者の43%がエシカルな原料調達、加工、輸送が行われているのかの透明性を重要視すると回答しているものの、業界の実態としては、全化粧品在庫のうち10.2%(失われた在庫の売却額※48億米ドル相当)がサプライチェーン上での腐敗、汚損、破損、過剰生産のために廃棄されている。※調査回答者から寄せられた「在庫の損失または浪費」のフィードバックに基づき、フォーチュン500企業の貸借対照表から得た在庫維持コストと照らし合わせて算出。これをStatistaが推定する美容分野の世界市場規模に外挿した。

化粧品業界における課題と考察

化粧品を購買する際、消費者の43%がエシカルな原料調達、加工、輸送が行われているのかの透明性を重要視すると回答しているものの、業界の実態としては、全化粧品在庫のうち10.2%(失われた在庫の売却額※48億米ドル相当)がサプライチェーン上での腐敗、汚損、破損、過剰生産のために廃棄されている。

<調査概要>

この消費者調査は、Canvas8の協力を得て2022年6月3日から6月28日の間にオンライン調査として実施されました。調査対象は、日本、アメリカ、イギリス、フランス、中国で、衣料品、食品、化粧品を購入する7,500人の消費者です。
また企業間の調査は、5つの産業部門に属する世界のサプライチェーンテクノロジー企業幹部250人を対象に、18回の定性インタビューと定量調査によって行われました。調査は2022年5月から8月にかけて、日本、アメリカ、イギリス、フランス、中国で実施されました。
本レポートでは、「サプライチェーン」を、原材料の搬入から商品・素材の製造、最終的に最終消費者に届くまでのすべてのプロセスと定義しています。

Avery Dennisonについて

Avery Dennison Corporation(NYSE: AVY)は、多種多様なラベル材料や機能性材料の設計・製造に特化したグローバルなマテリアルサイエンス企業です。当社の製品は、ほぼすべての主要産業で使用されており、ラベルやグラフィック分野に適用される感圧粘着ラベル材料をはじめ、産業、医療、消費財分野に適用される工業テープ及び各種ボンディングソリューションや、衣料品に適用させるラベルやパッケージ、小売分野にサービスを提供するRFIDソリューションを提供しています。50カ国以上に進出し、従業員は36,000名以上です。 2021年には売上84億ドルを達成しました。
Avery Dennison Smartrac: https://rfid.averydennison.jp

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