欧州のマットレスメーカーで初めてデジタルプロダクトパスポート(DPP)の導入を開始 - 透明性とサーキュラリティの新時代を切り開く
Avery Dennison Corporation (NYSE:AVY、 所在地:オハイオ州メンター、 エイブリィ・デニソン、 以下 Avery Dennison)とパートナーのTripleRは、欧州の大手寝具メーカーであるAquinos Groupと協業し、同社がEUのデジタルプロダクトパスポートの要件を満たす業界初の企業となりました。この取り組みは、すべての寝具素材をデジタル上で識別・管理するもので、廃棄を防ぎ、同時に循環型経済を促進します。
Aquinos Groupはヨーロッパ最大級のマットレスメーカーで、ヨーロッパで20もの工場を運営しています。中でもAquinos Beddingは、BEKA、Lattoflex*、Swissflex、Schlaraffia、Sembella、Superbaなど、伝統のある有名ブランドの製品を有しています。2024年から、Avery DennisonのデジタルIDソリューションであるコネクテッドプロダクトクラウドのatma.ioを活用し、製品へのタグ付けを開始します。その上で、同じく循環型経済を推進する関係者に、製品に使用された素材やその原産地に関する情報を提供します。
この過程でatma.ioプラットフォーム上に製品の正確な情報を持ったデジタルツインが作成されます。その後、リサイクルセンターで製品に取り付けられたRFIDタグを読み取ることで、リサイクル業者は製造で使用された材料を即座に把握でき、結果としてより効率的かつ効果的な製品の分別とリサイクルを実現します。また、消費者はスマートフォンで製品に取り付けられたQRコードを読み取ることで、購入前や購入後の詳細な製品情報にアクセスし、より適切な判断ができるようになります。
マットレスを対象にDPPが発効される頃には、Aquinosは100万点の商品にタグ付けを終え、EU全域の規模でDPP制度に準拠した最初のメーカーとなる予定です。ベルギーでは、2025年までにすべてのマットレスがRFIDに対応する予定です。またAquinosとTripleRは、ベルギーの業界団体であるValumatとも提携し、リサイクル業者も参画する先駆的な協力関係を結んでいます。
■Aquinos BeddingのInternational Commercial DirectorであるBenjamin Marienのコメント
「DPPは、循環型社会における次の重要な一歩です。業界でいち早くコンプライアンスへの対応を開始することで、市場、業界パートナー、そして寝具業界全体が環境に配慮したビジネスを推進するよう、我々が率先して模範を示してまいります。ヨーロッパを代表する寝具ブランドのオーナーとして、社外でもDPPの重要性を認識してもらえるよう、ブランドが持つ力を活用していきます。TripleRとAvery Dennisonとともに、私たちは寝具のサステナビリティを単なるプロジェクトから主流の取り組みへと移行させようとしています」
■TripleRでCo-founderを務めるStefaan Cognieのコメント
「このプロジェクトは重要な一歩であり、サステナビリティとサーキュラリティを可能にするDPPが、ヨーロッパ全域でどのように運用されるべきかという問いに対するベンチマークとなるものです。私たちはすでにベルギーの寝具業界でデジタルIDの規格を策定しており、欧州各国のEER(拡大生産者責任)団体やマットレスの業界団体、さらにはEuropean Mattress Association EBIA(EBIA)と協力し、DPP準拠の実現に向けて取り組んでいきます」
■Avery Dennisonでatma.ioのSenior DirectorであるMichael Gollerのコメント
「Aquinos、TripleRとこのプロジェクトを協力して取り組めることを誇りに思います。マットレスは複雑かつかさばる製品であり、高度に洗練された選別・解体プロセスを要します。これまでコスト効率の良い方法でこのプロセスを行うことは困難とされ、毎年何百万ものマットレスが埋立処分されていました。これこそがDPPが設立された理由であり、私たちはトレーサビリティ、効率性、循環性の向上に向けて、パートナーとともに限界を突破する可能性に期待を抱いています」