atma.io higg business reporter clear line of sight

 2022年2月1日

明確な見通し:なぜatma.ioとHiggがサプライチェーンのサステナビリティを主導するのか

グラスゴーで開催されたCOP 26サミットでは、世界中のメディアが気候変動に焦点を当て、私たち全員がよりサステナブルな方法を実践する必要性に気づきました。 また、即座に一致した行動を取らなければ、地球の未来は暗く、企業は打開策の支援を先導しなければけならない、というメッセージも明確でした。
この共通認識は、国連グローバルコンパクトリーダーサミットで明らかにされた調査結果でも反映されています。サプライチェーンにおけるサステナビリティは、新型コロナウイルス以降、重要性が増していると世界の企業の半数が答えています。
これは多くの組織にとって環境的に持続可能かつ道徳的にも問題がないサプライチェーンを活用する、ということ、つまり責任ある方法で商品を生産し、また調達することを保証する、ということを意味しています。その中心となるものは、トレーサビリティです。ブランドが消費者、株主、投資家に対して、製品やそれぞれの素材がどこから来たのかを示す能力さえあれば、ますます厳しくなった規制のみならず、社会や倫理的、環境的意識の高まった世論の要求にも従うことが可能になります。

「何かに対処するためには、まず事実を理解し、またモニタリングする必要があります。今日実際に起こっていることを理解・モニタリングすることで、将来の二酸化炭素排出量を削減しようとする多くの活動がスタートしています」-Max Winograd, VP, atma.io and connected products, Avery Dennison Smartrac.

パンデミックを経て、サプライチェーンにおける可視性の重要性が増し、多くの組織が運営に混乱をきたしています。 新型コロナウイルスによって、重要な資材の製造や輸送、港湾のキャパシティが崩壊し、インフレ圧力と供給不足を引き起こしました。また英国では、Brexitによって問題がさらに深刻化し、製造業や物流業を含む多くの分野で深刻な労働力不足を引き起こしました。

こういった状況において、必要とするアイテムがいまどこにあるのか、いつ到着する可能性が高いのかを正確に特定できるという事は、組織があらゆる課題に対応し、危機を回避するための戦略をたてる上で役立ちます。 

トレーサビリティの向上
最近まで、効果的なトレーサビリティを実装することは容易なことではありませんでした。「1970年代以降、ファッション業界は広大な地域ですべての生産を外注してきたからです」と、テクノロジープラットフォームHiggのCEOであるJason Kibbeyは述べています。「その結果、サプライチェーンは細分化されてしまいました。10年ほど前まで、ほとんどの企業はサプライチェーンの構成要素を知りませんでした。情報を収集することは、非常に高価な施策に着手するということ、またはバリューチェーン上のあらゆる方面との密なコラボレーションと信頼が必要でした。これまではそれを実行するためのリソースや情報の入手方法がなかったのです」

このようなサプライチェーンにおける可視性の欠如によって、不適切な活動が続き、地球にとって壊滅的な結果をもたらす結果となりました。 

しかし、今状況は変わり始めています。atma.ioは、Fortune 500に名を連ねるグローバルなマテリアルサイエンス企業のAvery Dennisonが提供する解決策のひとつです。日々活用するアイテムに固有のデジタルIDを割り当てることで、リアルとデジタルの世界をつなぎます。「Atmaはサンスクリット語で『魂』を意味し、魂は旅を通じて持続する、という考え方です」とWinogradは説明します。「製品の魂について考えると、それは固有のアイデンティティであり、製品の魂を知るすることで、製品のライフサイクルを通じて起きた事を理解することができます。その情報を活用することで、製品から、作り方、第2の人生を与える方法、寿命を延ばす方法、そして世界への影響を確認する方法を学ぶことができます」

「デジタルアイデンティティは、ライフサイクル全体を通じてより多くのデータを収集し『雪の結晶』のように機能する」とWinogradは話します。「原材料から販売に至るまで、サプライチェーンのあらゆる段階からデータを取得し、消費者がその製品と関わる毎にデータを取得します。ブランドは、消費者とコミュニケーションをとるための1つのタッチポイントとして、消費者が製品とどのようにやり取りしているかを理解することもできます。

これにより、ブランドは製品の設計方法やサーキュラリティの実現方法など、より持続可能な意思決定を行うことができます。「データはコネクテッドプロダクトプラットフォーム上に保存され、これまでに160億以上の個品がプラットフォーム上に接続され、毎秒300個もの新しいアイテムが追加されています」

さらなる洞察
そうした情報の明確さは、企業が製品のカーボンフットプリントやサステナビリティをモニタリングする上で役立つだけでなく、ブランドと顧客の間により緊密な関係を構築する、という面でも役立ちます。「ブランドは、よりパーソナライズされた体験を提供することで消費者と関わりたいと考えています」とWinograd。「新しくユニークな方法で購入後の顧客とつながり、最終的により多くのロイヤルティと信頼を構築したいと考えています」

「また個品レベルの情報を使用し、サプライチェーン上のイベントをより詳細に把握したいというモチベーションもあります」と彼は付け加えます。「これにより、サプライチェーンのボトルネックを特定できるようになったり、また特定の工場や特定の製品が比較的高い確率でリコールを引き起こすケースにおいて、実際に問題が起きた場合により迅速に行動できる、といった事が可能となります。つまりブランドが、運用および管理上の無駄なコストを最小限に抑えることに寄与します」

このプラットフォームはすでに、アパレルや、食品、化粧品、医薬品など、幅広いビジネスやセクターから関心を集めています

「世界のトップ20のアパレルブランドのうち6つのブランドが、また全米トップ10のファーストフードレストランうち4つのレストランがatma.ioを既に活用しており、すでにさまざまなユースケースがあります」-Max Winograd, VP, atma.io and connected products, Avery Dennison

atma.ioは、製品に関する情報が正確であることを保証します。「プラットフォームに対する信頼を確保するためには、いくつかの異なる方法があります」とWinogradは言います。「私たちが提供するものの中核的な部分にアナリティクス機能を備えています。たとえば、典型的なフローに反する横流し、複製、または不正といったアクティビティーが起こった場合、その製品に対して、どこで異常値またはアラートが起きたのかを正確に特定できます。その結果、既存のブランド保護戦略を強化することができます」

またatma.ioは、データの暗号化と分散型台帳の使用を提供するため、複数のブロックチェーンパートナーと協力しており、検証に必要な第2のレイヤーを提供することもできます。

クリティカルマス
atma.ioは消費財企業がバリューチェーン全体の社会的・環境的影響の測定・管理・共有を支援しているインサイトプラットフォームのHiggと提携しました。

「私たちは数年前にHiggプラットフォームを作りました。業界が大幅な進歩を望む場合、アパレルとシューズのバリューチェーンにおける標準化された測定をスケールさせるため、信頼できるテクノロジーが必要だと考えたからです」Jason Kibbey, CEO of Higg

「すべての企業は、独自の行動規範と独自のインフラストラクチャを構築しましたが、継続的な改善のために必要となるコラボレーションには未着手でした。同時に業界全体のデータを大規模に測定および共有できる方法を検討したいという強い願望がありました。atma.ioなどのエコシステムと提携することは、データのオープンな交換、またプラットフォームを使用して組織のクリティカルマスを作成するといった点で役立ちます。

Higgは、45,000人のユーザー、500のブランドと小売業者、そして数万の工場からなるネットワークを運営しています。これらはすべて、atma.ioが持つ機能の恩恵を受けることになります。

企業の資質を実証し、顧客とのより緊密な関係を構築するという圧力が高まる中で、組織がこれを先延ばしにする余裕はないとWinogradは考えています。「個々の製品にデジタルトリガーを取り付け、サステナビリティとカーボンフットプリントの観点からサプライチェーンの効率性を理解することで、行動を起こすことが可能になります。計画と比較し、5年後にどこに行きたいかを考え、そこに到達するために今日どのような行動を取る必要があるかを考え出す、その行動を起こすべきは今なのではないでしょうか。

atma.ioがサステナビリティに関するアクションをどのように支援するかについては、こちらをご覧ください。

 

 

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