エンドユーザー向けRFID

2020年12月

「A Portrait of a Supply Chain(サプライチェーンの肖像)」-なぜ透明性が重要なのか

Avery Dennison SmartracのVice President and General Manager、Francisco Melo

ここ数ヶ月、サプライチェーンの重要性が叫ばれています。 トレーサビリティと透明性について職場で話し合ったことが、家族や友人との間でも同じように話題になるなんて、考えたこともありませんでした。 しかし、これこそが新型コロナウイルスの流行の影響であり、私たちの生活をdisrupt(混乱)させるものなのです。 もちろん、技術の世界では「disrupt」という言葉はポジティブな意味で使われることが多く、ここでもそれが当てはまります。 今、製品の調達、製造、輸送、さらには製品との対話の方法を再考する機会が訪れています。 データに基づいた分析を各所に適用することで、組織の効率が上がるだけでなく、地球とそこに住む人々の幸福度も向上します。

興味深いことに、ビジネスリーダーの65%が、新型コロナウイルス後において、サステナビリティはさらに大きな優先事項になると認識しています。 すでに役員の間でも議題には上がっていましたが、その重要度はさらに高いものとなりました。 同様に注目すべきことは、ビジネスリーダーの83%が、サプライチェーンと関連技術が自社のサステナビリティ目標をサポートできると考えているという事実です。 また、消費者の関心も高く、70%の消費者が以前よりもブランドへの信頼が重要になっていると考えています。ブランドの信頼を確保するためには、製品がどのように調達され、市場に投入されたかを知ることが重要です。

これらの調査結果は、Avery Dennisonが本日発表するショートフィルム「サプライチェーンの肖像(A Portrait of a Supply Chain)」にインスピレーションを与えました。 このフィルムの目的は、サプライチェーンの中心で働く人々にとって透明性とは何かを明らかにすることです。 土地との深いつながりから、より安全でサステナブルな方法まで、視聴者は彼らの仕事やコミュニティ、環境に対する洞察を知ることができます。

ショートフィルム全編を見る

 

本作の「主人公」は、Verónica Candelero García、Ryan Nienaber、Emma Bonarの3人です。 3大陸に位置する3つの企業が、より安全でサステナブルなサプライチェーンを明確に理解するという共通の思いを持っていることがわかります。 Verónicaは、メキシコのココアバターメーカーであるCacasteを設立しました。Cacasteは、タバスコ州の生産者ネットワークと非常に密接な関係を築いており、サプライチェーンにおける信頼性とトレーサビリティを実現しています。 カカオのサプライチェーンは、国連の報告書で「非常に複雑」であると指摘されています。この急成長中の企業は、米国からニュージーランドにわたる化粧品関連企業にカカオを供給しているため、原材料を供給元で独自に特定することが重要です。

南アフリカで海産物ビジネスを展開するGreenfishの共同創業者であるRyanは、すべての海産物が合法的な漁業によって調達され、原産地までトレーサビリティを遡れるよう徹底しています。 すべてのパッケージに、種類や産地、製造方法などの情報が記載されています。 国連の推計によると、サステナビリティのための海洋管理認証(MSC)ガイドラインを遵守している天然魚はわずか8%であることから、業界でベストプラクティスを達成することは特に重要です。  

最後に、英国の69b BoutiqueのオーナーであるEmmaは、社会・環境に対し責任ある行動をとるデザイナーを結集させるというビジョンを掲げ、「より良いファッション業界に特化した最初の店舗」を展開しています。 連携するブランドは、透明性と説明責任に関する厳格なポリシーを遵守し、サステナブルなファッションへの取り組みを行う必要があります。 彼女の言葉を借りれば 「お客様は、自分が買っている製品がどこから来ているのかを知るために、私たちを頼りにしている」とのことです。 McKinseyの調査によると、ファッション業界の調達担当役員の10人中8人が、サプライヤリストという形で、2025年までに自社の透明性を少なくともTier 2レベルで公開する計画をしていることから、Emmaは様々な意味で同業界の「先陣を切って」いることが分かります。

技術の世界では「disrupt」という言葉はポジティブな意味で使われることが多く、ここでもそれが当てはまります。 今、製品の調達、製造、輸送、さらには製品との対話の方法を再考する機会が訪れています。 データに基づいた分析を各所に適用することで、組織の効率が上がるだけでなく、地球とそこに住む人々の幸福度も向上します。 — Avery Dennison SmartracのVice President and General Manager、Francisco Melo

組織は様々な分野で活動しており、個別の課題を抱えていますが、サプライチェーンにおける透明性を確立し、それによって顧客との信頼関係を築くという共通の目的を持っています。 また、このショートフィルムの撮影は、サステナビリティを考慮して行われました。コンテンツは地元のフィルムクルーと一緒に撮影され、18,000人以上のフリーランスフィルムメーカーのコミュニティをつなぐビデオ制作プラットフォーム「The Smalls」で制作されました。

デジタルID技術の導入により、すべての製品に対してトレーサブルなアイデンティティを提供することが可能となり、原材料から最終製品、、そしてその先の過程においても透明性を実現することができます。 その結果、消費者には最高水準の可視性、安全性、教育、信頼性を提供し、企業はサプライチェーンを徹底して管理することができます。 そして、重要なことは、コネクテッドプロダクトによって、消費者は信用のおけるブランドとつながることができ、直接のフィードバックが得られ、これまでになかった交流が生まれ、満足度を高めることができます。このような交流は、これまで以上に必要性が高まっています。

詳細情報については、レポート「IoT and the Imminent Supply Chain Digital Transformation(IoTおよび差し迫るサプライチェーンのデジタル変革)」および「The New Transparency(新たな透明性)」をご覧ください。