丹原氏は、技術的な事だけではなく、セルフレジを導入した背景やビジョンについても踏み込んで話をしてくれました。「私たちはいつもお客様を第一に考えており、常にお客様に感動していただけるよう模索しています。セルフレジはその一つであり、今後さらに多くのサービスを提供していきます」
シームレスな会計プロセスを実現するために、ユニクロのイノベーションパートナーであるAvery Dennisonは、25年前から実用化されており、信頼性が高いRFIDに着目しました。Toneyは「RFIDは世界中で活用されている共通言語です」と説明し、RFIDには地理的な限界がなく、20年以上前に導入されて以来、絶えず進化を続けてきたことを話してくれました。
「RFIDは、標準規格に基づいているため、企業は製品のライフサイクルを通じて在庫を管理し、また生産現場からレジまでシームレスなプロセスを構築することができます。さらに、単なるB-to-Bの在庫管理ツールというだけにとどまらず、カスタマーエクスペリエンスの向上に繋がる膨大な量のデータを得ることができるようになります」と、続けました。
丹原氏はさらに詳しく説明しました。「私たちは収集したデータを 『ボイス・オブ・カスタマー』 と呼んでいます。こうしたデータはAIを動かし、商品開発や需要予測に反映され、サプライチェーン全体で流通を最適化し、無駄を省くことにつながっています。また、オンラインと店舗の両方で、お客様が 『探したけれど見つからなかった在庫』 のデータも分析しています」
「店舗から寄せられたデータは 『ボイス・オブ・ストア』 と呼ばれ、オンラインビジネスから得られた分析結果を補っています。また、RFIDを活用して得られたデータを店舗からのフィードバックと組み合わせて商品開発チームに提供し、グローバル展開への指針となるイノベーションを実現しています」